にんにく専門情報

論文情報:・タイトル: The Anticancer Effects of the Garlic Organosulfide Diallyl Trisulfide through the Attenuation of B[a]P-Induced Oxidative Stress, AhR Expression, and DNA Damage in Human Premalignant Breast Epithelial (MCF-10AT1) Cells
・掲載誌: International Journal of Molecular Sciences (2024年) ほか関連報告あり
・著者: Ferguson DT, Taka E, 他

詳細要約

この研究は、まだ完全な癌にはなっていない**「前癌状態」のヒト乳腺細胞(MCF-10AT1)**に対し、ニンニク由来成分 DATS(ジアリルトリスルフィド) がどのように作用して、発がん物質による癌化(悪性化)を防ぐかを分子レベルで解明したものです。

1. 研究の背景と目的

  • 敵(B[a]P): ベンゾ[a]ピレン(B[a]P)は、タバコの煙や排気ガス、焦げた食品などに含まれる強力な発がん性物質です。
  • 標的(AhR): B[a]Pは細胞内の「芳香族炭化水素受容体(AhR)」というセンサーに結合してスイッチを入れ、細胞を癌化させる有害な反応を引き起こします。
  • 目的: DATSがこの危険なプロセスを食い止め、前癌細胞が本格的な乳癌細胞へと変化(腫瘍性形質転換)するのを防げるかを検証しました。

2. 主な実験結果とメカニズム

DATSを投与することで、B[a]Pによる悪影響が以下の3つの側面で劇的に「減弱」されることが確認されました。

  • 悪性化スイッチ(AhR)の遮断
    • B[a]Pは通常、細胞内のAhRタンパク質を増加させ、発がんに関わる酵素(CYP1A1など)を暴走させます。
    • DATSの効果: DATSはこのAhRの発現そのものを抑制しました。これにより、発がん物質の司令塔となるシグナル伝達経路が遮断され、癌化のプロセスが初期段階で阻止されました。
  • 酸化ストレス(ROS)の消去
    • B[a]Pの刺激を受けた細胞内では、DNAを傷つける「活性酸素種(ROS)」が大量に発生します。
    • DATSの効果: DATSは強力な抗酸化作用を発揮し、細胞内のROSレベルを有意に低下させました。これにより、細胞が酸化ストレスによってボロボロになるのを防ぎました。
  • DNA損傷の軽減と修復
    • ROSやB[a]Pの代謝産物はDNAに傷をつけます(8-OHdGというマーカーで測定されます)。これが蓄積すると癌になります。
    • DATSの効果: DATS処理群では、DNA損傷マーカー(8-OHdG)のレベルが大幅に減少しました。これはDNAへの攻撃を防いだだけでなく、DNA修復メカニズムを助けた可能性も示唆されています。

3. 結論:乳癌「予防」への意義

この研究の最大のポイントは、すでに癌になった細胞を殺すだけでなく、「健康と癌の境界線にいる細胞(前癌細胞)」が癌になるのを防ぐという**化学予防(Chemoprevention)**の効果を立証した点にあります。

DATSは、**「毒物受容体(AhR)のブロック」「活性酸素の除去」「DNAの保護」**という多重の防御壁を築くことで、環境発がん物質による乳癌リスクを低減できる有望な成分であると結論付けられています。


書籍:植物由来治療薬-第3巻ねぎ(ニンニク)|ジアリルトリスルフィド
ジアリルトリスルフィド(DATS)に関する記述の要約
ジアリルトリスルフィド(DATS)の抗がん活性が実証されている主な部位
ジアリルトリスルフィド(DATS)の心血管保護作用
ジアリルトリスルフィド(DATS)の免疫原性細胞死について

書籍:植物由来治療薬-第3巻ねぎ(ニンニク)|乳癌
乳癌に関する記述の抜粋
乳癌の予防や治療
前癌状態のヒト乳腺細胞

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