にんにく専門情報

出典:日本大学発表論文

「Diallyl trisulfide suppresses the proliferation and induces apoptosis of human colon cancer cells through oxidative modification of beta-tubulin」(にんにく由来のジアリルトリスルフィドによるヒト大腸がん細胞の増殖抑制とアポトーシス誘導:β-チューブリンの酸化修飾を介した作用メカニズム)の要約

この研究は、日本大学の関泰一郎教授、有賀豊彦名誉教授らのグループによって行われ、世界的な科学誌『Journal of Biological Chemistry (JBC)』に2005年に掲載された非常に重要な論文です 。

【要約】

1. 研究の背景と目的

にんにくの摂取ががん(特に大腸がんや胃がん)の予防に役立つことは疫学調査で示唆されていましたが、その具体的な分子レベルでのメカニズムは完全には解明されていませんでした 。本研究では、にんにくオイルの主成分である**ジアリルトリスルフィド(DATS)**に着目し、ヒト大腸がん細胞に対する抗がん作用とその標的分子を特定することを目的としました 。

2. 主な実験結果

  • 増殖抑制効果: 硫黄原子を3つ持つ「DATS」は、ヒト大腸がん細胞(HCT-15およびDLD-1)の増殖を強力に抑制しました。一方で、硫黄原子が1つの「モノスルフィド」や2つの「ジスルフィド」には、同等の効果は見られませんでした 。
  • 細胞周期の停止と死(アポトーシス): DATS処理により、がん細胞は細胞分裂の段階である「G2/M期」で停止し、その後、細胞の自死であるアポトーシス(カスパーゼ-3の活性化を伴う)が誘導されることが確認されました 。
  • 微小管ネットワークの破壊: 細胞分裂に不可欠なタンパク質である「微小管(チューブリン)」を調べたところ、DATSによってそのネットワークが著しく破壊され、断片化していることが判明しました 。

3. 発見されたメカニズム

本研究の最大の成果は、DATSが細胞内のタンパク質**「β-チューブリン」を直接攻撃している**ことを突き止めた点です。

  • DATSは、β-チューブリン分子内の特定の部位(Cys12βおよびCys354βというシステイン残基)を特異的に酸化修飾(S-アリルメルカプト化)します 。
  • この修飾によりチューブリンの機能が失われ、正常な細胞分裂ができなくなることが、がん細胞の増殖抑制と死に直結していることが解明されました 。

4. 結論

この研究は、にんにくの成分が「単に体に良い」というだけでなく、がん細胞内の特定のタンパク質の構造を変えることで、直接的にがんの増殖を止めるという画期的な証拠を提示しました。これは、にんにくの抗がん効果を科学的に裏付ける重要な根拠となっています 。


書籍:植物由来治療薬-第3巻ねぎ(ニンニク)|ジアリルトリスルフィド
ジアリルトリスルフィド(DATS)に関する記述の要約
ジアリルトリスルフィド(DATS)の抗がん活性が実証されている主な部位
ジアリルトリスルフィド(DATS)の心血管保護作用
ジアリルトリスルフィド(DATS)の免疫原性細胞死について

書籍:植物由来治療薬-第3巻ねぎ(ニンニク)|乳癌
乳癌に関する記述の抜粋
乳癌の予防や治療
前癌状態のヒト乳腺細胞

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