にんにく専門情報

出典:書籍|Plant-Based Therapeutics, Volume 3: Allium sativum (Garlic)|植物由来治療薬、第3巻 ねぎ(ニンニク)

DATS(ジアリルトリスルフィド)が乳癌の予防や治療(症状改善・増殖抑制)に作用することを示唆する研究論文や報告は複数存在します。主要な研究とその要点は以下のとおりです。
これらは主に細胞実験(in vitro)や動物実験(in vivo)の段階のものですが、DATSの多面的な抗がん作用が報告されています。

ジアリルトリスルフィド(DATS)|乳癌の予防や治療

1. 予防効果・初期段階への作用に関する研究

  • 論文/研究テーマ: 「ヒト前癌乳腺上皮細胞(MCF-10AT1)におけるB[a]P誘発性酸化ストレス、AhR発現、DNA損傷の減弱によるDATSの抗がん効果」
    • 内容: 環境汚染物質などの発がん性物質(ベンゾ[a]ピレン)によって、正常な乳腺細胞ががん化するのをDATSが防ぐことを示した研究です。DATSは酸化ストレスを減らし、DNA損傷を修復することで、細胞の「腫瘍化(neoplastic transformation)」を阻止する化学予防(Chemoprevention)効果が報告されています。
    • 関連: The Anticancer Effects of the Garlic Organosulfide Diallyl Trisulfide... (2024年等の報告あり)
  • 論文/研究テーマ: 「非浸潤性乳管癌(DCIS)由来細胞におけるアポトーシス誘導」
    • 内容: 浸潤性乳がんの前段階である「非浸潤性乳管癌(DCIS)」の細胞に対して、DATSが増殖を抑制し、アポトーシス(細胞死)を誘導することを示した研究です。初期段階での進行抑制役としての可能性が示唆されています。
    • 出典例: Nutrients 誌 (2022) "Diallyl Trisulfide Induces Apoptosis in Breast Ductal Carcinoma In Situ Derived and Minimally Invasive Breast Cancer Cells"

2. 乳癌細胞への直接的攻撃・増殖抑制に関する研究

  • 論文/研究テーマ: 「ヒト乳がん細胞におけるエストロゲン受容体α(ER-α)活性の阻害」
    • 内容: ホルモン受容体陽性の乳がん(ルミナールタイプ等)において重要な「エストロゲン受容体α」の働きをDATSが阻害し、タンパク質レベルを減少させることで、がん細胞の増殖を抑えることが報告されています。
    • 出典例: Breast Cancer Research and Treatment 等 "Diallyl trisulfide inhibits estrogen receptor-α activity in human breast cancer cells"
  • 論文/研究テーマ: 「トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対するアポトーシス誘導と転移抑制」
    • 内容: 治療が難しいとされるトリプルネガティブ乳がん細胞(MDA-MB-231等)に対し、DATSが細胞周期を停止させ、カスパーゼ活性(細胞死のスイッチ)を誘導することでアポトーシスを引き起こすことが確認されています。また、転移に関わる因子(MMP-2/9等)を抑制する効果も報告されています。
    • 出典例: Anticancer Research (2023) 等

3. 抗がん剤との併用効果に関する研究

  • 論文/研究テーマ: 「ドキソルビシン(DOX)との併用による抗腫瘍効果の増強」
    • 内容: 代表的な抗がん剤であるドキソルビシンとDATSを併用すると、乳がん細胞に対して相乗的な効果(単独で使うより強い効果)が得られるという報告です。さらに、DATSは解糖系(ワールブルグ効果)を阻害することで、がん細胞のエネルギー産生を絶つメカニズムも示唆されています。
    • 出典例: Journal of Cancer (2025年の報告例あり)

4. 作用メカニズムの網羅的解析

  • 論文/研究テーマ: 「RNA-seq解析によるDATSの標的メカニズムの特定」
    • 内容: DATSが乳がん細胞内で具体的にどの遺伝子を動かしているかを網羅的に解析した研究です。DATS投与により「G2/M期」での細胞分裂停止に関わる遺伝子群が変動し、がん細胞の分裂サイクルを物理的に止めていることが遺伝子レベルで裏付けられています。
    • 出典例: International Journal of Oncology (2021) 等

これらの研究の多くは、DATSが「細胞周期の停止」「酸化ストレスの制御」「アポトーシス誘導」という複数の経路を通じて乳がんに作用することを示しており、書籍『Plant-Based Therapeutics, Volume 3: Allium sativum (Garlic)』の記述(化学予防やアポトーシス誘導)を裏付ける内容となっています。


書籍:植物由来治療薬-第3巻ねぎ(ニンニク)|ジアリルトリスルフィド
ジアリルトリスルフィド(DATS)に関する記述の要約
ジアリルトリスルフィド(DATS)の抗がん活性が実証されている主な部位
ジアリルトリスルフィド(DATS)の心血管保護作用
ジアリルトリスルフィド(DATS)の免疫原性細胞死について

書籍:植物由来治療薬-第3巻ねぎ(ニンニク)|乳癌
乳癌に関する記述の抜粋
乳癌の予防や治療
前癌状態のヒト乳腺細胞

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